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多面的機能とはなんでしょうか

田んぼや畑は、私たちが生きていく上で欠かすことのできない食料を供給するという、とても重要な役割を果たしています。
しかし、それだけではなく、私たちの生活に大切となる様々な機能を持っているのです。これを「農業の多面的機能」といいます。ここではこの多面的機能を大きく8つに分けて紹介いたします。

1国土保全機能

(1)洪水防止

畔に囲まれた水田は、大雨の時に雨水を一時的に貯えて徐々に流すことにより洪水を防ぐことができます。耕された畑の土には隙間があるので、畑にも同じような働きがあります。

(2)土壌浸食防止

農地を耕作することにより、風雨による土壌の流失が防がれています。

(3)土砂崩壊防止

水田かんがいにより地下水位が安定的に維持されています。水田が耕作放棄されると大雨が降ったときに地下水位が急激にあがるため、地すべり等の土砂崩壊が起こりやすくなります。

2水源涵養機能

水田に導かれた河川水は、浸透して地下水となって下流の河川に戻る部分があり、直接河川を流れるよりも長い時間がかかるので、川の流れの安定に役立ちます。
また、生活に必要な地下水の供給源ともなります。
収穫後の水田や畑も雨水が地下に浸透するため、地下水を豊かにする機能があります。

3自然環境保全機能

(1)有機性廃棄物の処理

生ゴミや家畜の排せつ物などをたい肥化して田畑に還元することにより、資源を有効に利用できます。

(2)物質分解・汚染物浄化

水田や畑には、バクテリアなどの微生物がたくさん住んでいます。耕作によりこの微生物が有機物を分解しています。

(3)大気の浄化

耕地の植生は大気汚染ガスを吸収し、大気を浄化する能力を有しています。また、水田や畑に育つ植物は、炭酸ガスを吸収して酸素を放出し、人や動物たちが生きていける空気を保つ働きをしています。

(4)多様な生物の保全

田畑やため池が多様な生物の生息の場所になるなど、自然環境の保全に大きく貢献しています

4良好な景観の形成機能

農村の美しい景観は長い時間をかけて人が農業を営む中で作られ、農業の生産活動によりこの景観は維持・保全されています。農村の美しい景観はその地域住民や訪れる人の心を和ませます。

5文化伝承機能

農村では、長い歴史を通じて農業が営まれることによって培われてきた文化が伝承されています。

6保健休養機能

都市に住む人が農家民宿に泊まって農業を体験したり、農村の文化・自然にふれたりと、多くの人々が都市では見られない美しい景観や自然、潤いややすらぎを求めて、農村に足を運んでいます。

7地域社会の維持活性化

農家の皆さんが一生懸命育てたおいしいお米や野菜などの農作物を中心に、漬物や缶詰への加工、お店での販売などたくさんの仕事が営まれ、活き活きした地域社会が育まれています。

8食料安全保障

農業が生産能力を保つことで、不測の事態や将来需要が供給に追いつかなくなるリスクを軽減します。