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滋賀県経済振興特別区域認定審査・評価委員会(第7回)の会議概要

日時:平成21年7月28日(火曜日)午後2時30分~午後4時45分

場所:滋賀県公館

経済振興特別区域計画の実施状況の評価等について

■びわ湖南部エリア新産業創出特区計画(大津市・草津市)

【主な意見】

  • ソフトインフラの整備と活用を通じて、認定時の立地企業数や創業・第二創業数等の目標数値をおおむね達成するなど、大きな成果があった。
  • 特区計画終了後も協議会が主体となり、企業立地促進法の活用や、展示会に出展するなど、今後の成果が期待されるところです。
  • 今後は、これまで以上に、立地を希望する企業に対してのワンストップサービス機能を充実させるとともに、誘致条件のさらなる向上を図ることが重要である。・
  • 人材育成やコーディネーターネットワークのさらなる強化により、これまで培ってきたソフトインフラをより強固にすることが重要である。その際、人は生活環境で行動することからエンターテイメント的な要素が都市には必要であるということを念頭に置くべきである。

■長浜バイオ・ライフサイエンス特区計画

【主な意見】

  • 民間主導の研究会や、バイオインキュベーションセンターを核にした活発な産学官連携の取り組みにより、大学発ベンチャーの誕生が3社、創業・第二創業が10社、隣接する長浜サイエンスパークの6区画全てについての企業進出が決定するなど、特区計画の5年間を通じて大きな成果があった。
  • 地元の大学や産業支援機関等から構成されるバイオクラスターネットワークを構築し、具体のプロジェクトを掲げるなど、ソフトインフラの整備も進んでいる。今後、このネットワークを有効に機能させるには、参画機関の求心力を高め、コーディネーターや研究者の交流を促進するとともに、地元の中小企業によるバイオ大学やインキュベーション入居企業との連携事例を作りだし、情報発信していくことが重要である。
  • バイオ技術を活用したビワマスの養殖という話があったが、一般的に、技術開発が先行し、ビジネスモデルが後回しになりがち。本来、商品開発とは生産者や購買者のニーズに的確に対応するものでなければならない。いいものできたから売ろうという発想ではなかなか成功に結びつきにくい。・
  • ビワマスはユニークな取り組みであり、超高級料理に仕立て上げることも考えられる。そのためには、ナショナルワイドな名物にする方法を考えればよい。ビワマス大使とかTVドラマとのタイアップなどを検討することが重要である。

■滋賀統合物流センター(SILC)特区計画

【主な意見】

  • 立地企業が実施することになっている3PL事業のビジネスモデルについては、入居企業や産業集積の構想はあるものの、立地予定企業の秘密を保持しなければならないという制約等により、企業名や事業内容など具体的な情報は開示されていないため、現段階においては本計画に定める3PL事業の評価は困難である。
  • 計画実現に向けたフィジビリティ・スタディを至急に行う必要があるとともに、専門的立場からの助言・指導によるブラッシュアップが必要と考える。・
  • SILC計画の目指す姿が、物流拠点から生産拠点に様変わりしたかのような印象があり、物流機能を検討することが必要ではないか。
  • 例えば、国内のあらゆる大規模イベント等に対応する物流機能を持つなど、県外の生産拠点との連携が重要である。
  • 今後は、企業立地促進に係る諸制度を活用するなどして、本計画の進捗を加速させ、新産業集積形成の成功例としていくための行程を明らかにし、着実に進めて行くことが必要である。

■びわ湖・里山観光振興特区計画

【主な意見】

  • 観光の核として位置づけた「中央分水嶺・高島トレイル」について、アウトドアメーカーや旅行会社がツアーの誘導を行ったことに加え、高島の地域や文化に触れるエコツーリズムの実施等により、観光入り込み客数や物産品の販売額が増加するなどの成果が出てきている。
  • 物産販売額の増加は「道の駅」だけではなく、市内の既存店舗や商店街も含めた形で検討することが重要である。
  • 宿泊は日帰りの5倍のお金が落ちると言われている。大人の滞在人口を増やすことが必要である。・
  • プロデュース組織も充実してきているようであるから、この組織が中心となり、観光客の滞在時間を伸ばす工夫が必要である。

■国際陶芸産業都市特区計画

【主な意見】

  • プレトリエンナーレの実施により、遊休地や空き工場、商店街の活用方法を見い出したことは一つの成果である。
  • 産業振興や国際化の観点から得られた知見やノウハウを整理し、来年度のトリエンナーレにつなげていく方策を検討する必要があり、その際、行政や企業、地元住民等の役割を明確にしていくとともに、各主体の事業や取り組みの調整が重要である。
  • トリエンナーレ開催に伴って、例えばガウディのように、オブジェなどを開催年毎に積み上げていくことが重要である。
  • 10年後を見据えた空間や風情作りに関する勉強会などを町が一体となってやっていくことが重要である。
  • 国際イベントに相応しく、多くの外国人観光客の集客につながるよう、国等の支援施策やツールを活用しながら、トリエンナーレ開催に向け、事業の具体化を求める。その際、例えばMIHOミュージアムから市内へ流れていくような仕掛けが必要ではないか。
  • 信楽はやはり食の充実が必要。美味しいものが食べられる店や、信楽名物を作っていくことが求められる。

■記者会見

【主なコメント】

  • 5つの特区計画の評価を行ったが、それぞれ、それなりの効果は上げているものの、期待と成果に差があると感じられた計画もあった。
  • びわ湖南部エリア新産業創出特区は、かなりの成果を上げているが、まだ地域としてのまとまり、特にコーディネーターや研究者、事業者の社交の場等の情報交換体制が弱い。
  • 長浜バイオ・ライフサイエンス特区は、6社が立地し、期待通りの立地が進んでいる。今後、立地企業と大学が連携し、どのような成果を上げていくかが重要である。
  • 滋賀統合物流センター(SILC)特区は、物流事業としているが、製造拠点の誘致に力点が置かれている。その意味では米原の特性を活かした物流基地という感じからは少し遠ざかったと感じる。
  • びわ湖・里山観光振興特区は、計画とおりに一定の観光客が増えているということで、将来性があると感じている。トレイルのような自然を歩くという観光は、注目度が高い。今後は、長期滞在客が増えるような仕掛けが必要である。
  • 国際陶芸産業都市特区は、トリエンナーレをもっと盛り上げ、本当に世界的な陶磁器の中心地になってもらいたい。そのためにトリエンナーレの積み上げが絶対必要である。30年計画でつくるようなものをつくって、日本を代表するような名所にしてもらいたい。
  • 概していうと、5つの特区計画は、ものづくり支援から知恵づくりへの転換がうまくいっているという気がした。その意味で特区制度は効果を上げたと思っている。