百済寺は、聖徳太子開基と伝えられる天台宗の名刹で、湖東三山(百済寺・金剛輪寺・西明寺)の一つとして知られています。
平安時代から室町時代にかけて活動が確認される百済寺ですが、文永10年(1273)から元亀4年(1573)の間に4度火災を受けています。この間、永正17年(1520)から大永元年(1521)にかけて六角氏の指導のもと、寺院の城塞化が進められたことが、「雑下行帳」に記された、「要害」「大手要害」の記述からうかがえます。
元亀4年(1573) 4月、百済寺は六角氏に味方したとして、織田信長により焼き討ちを受けます。来日していた宣教師ルイス・フロイスが「地上の天国をなせる坊主の住屋千戸あり」と記した百済寺の堂舎は悉く焼き払われましたが、近世にはいると、徳川幕府や井伊家の支援を受けて復興を遂げていき、その後現在にいたるまで法灯を守り続けています。
旧本堂を中心に、放射状にのびる参道と、その両側に坊が対称的に配置されるという中世百済寺の遺構は、今でも石垣や石段が残されており、平成20年に史跡に指定されています。
今回の講座では、この史跡百済寺境内を文化財専門職員の案内で探訪します。
百済寺駐車場集合・解散
※湖国バス角能線市ヶ原行き百済寺本町バス停下車徒歩15分
JR能登川駅12:07発、百済寺本町バス停12:42着